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「仕事の断り方」不具合修正版

めずらしくSOHOのご質問にお答えしました。ANo.3にて回答させていただいております。
SOHOをやりはじめのころというのは、何かと世話になったクライアントによりかかってしまいがちですが、これがSOHO本来の利点をぼかしてしまいがちになるものだそうでして、これを払拭するには

「イヤなことはやらない」
「ムリなことはやらない」
「ムダなことはやらない」

を3本柱にするといいわけですけど、やたらこれにこだわると無用の敵を作ることもあり得るから、注意しなくてはいけないですね。
今回の御質問はそれ以前の「イヤなこと」を極力排除してマイペースを取り戻すための、リスクヘッジも兼ねた方法論を展開してみました。
それでは早速、御質問を御紹介することにいたしましょう。



御質問(QNo.3667727)

「仕事の断り方」

質問者:kiasmaさん
SOHOでデザイン業をしてます。

あるクライアントで、ひとつの案件を受注するつもりではじめはお受けしたのですが、ひとつが終わるとその次その次・・・と、どんどん発注され、気がつくとデザインに関係ない業務まで引き受けている状況です。
契約書などは一切交わしていませんが、スタッフの一員、あるいはそれ以下というような扱いで困っています。
一度あまりにひどいので、お断りしたのですが、どうしても・・・ということで条件付きでまたお受けすることにしたのですが、時間帯や締め切りなどもひどく、また担当者の性格も合わないため、どうしてもきっぱり縁を切りたいのです。

担当者が強引な感じで、私も言い方が弱いので丸め込まれるのでは、となかなか切り出せません。

まだ実際には動いていないのですが、先の案件まで予定として入れられている状況です。

ですが実際のところ、契約書も交わされていないので突然「ほかの人にお願いしたから」などど切られることも考えられます。
ですので、未確定のなんとなくの発注をこなす義務はないと思っているのですが・・・。

正直、精神的にダメージを受けていて、電話が嫌になっている状況なので、今自身でうまく対処できないだけかもしれませんが、アドバイスいただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。

(質問者:kiasmaさん)
これに対する私の回答を以下に記します。

回答 ANo.3
回答者:hankyu8200

対話や電話といった「音声」によるコミュニケーションに気が進まないのであれば、無理する必要はないと思います。
御質問の文面から判断するに、kiasmaさんはクライアントとの通信手段を選ぶ必要がありません。それに、御質問も非常にこなれた文章でお書きになっていらっしゃる。ですので

徹頭徹尾、手紙や文書での
やり取りに切り替える

ことをオススメします。
どういうことかっていいますと、今後そのクライアントについては、電話やメールを一切使わず、あくまでも手紙や文書を応対手段とするやりとりだけに徹することなんですね。
「以後、大変恐縮ですが、文書でのやりとりに限らせていただきます」
とやるわけです。
どんなメリットがあるか。
手紙という通信手段がkiasmaさんにとって防衛ラインになってくれるからなんです。というのも、

  ○やりとりに時間がかかるために
   クライアントが自然と敬遠する
   理由となってくれる。

  ○担当者に対して言質を取られないように
   文面を校正することができる。

  ○余計な雑音(ウワサや悪口)に左右されず、
   終始一貫した言動がとれる。

  ○万が一トラブルに発展した場合に
   手紙が記録として
   証拠となってくれる。

といったことから、まさに御質問で危惧されていらっしゃるように

クライアントに丸め込まれる
リスクから開放される

からなんですね。
切手や封筒といった通信費はかかりますが、モメにモメた結果、長引く余計な電話代を払うよりは、遥かに安上がりとなるはずです。
それと、老婆心ながら補足させていただきますと、電話であろうと手紙であろうといえることなんですが、

理由を問われても
それに答えないこと

を心掛けるといいと思います。
というのも、kiasmaさんの言動について、相手は何らかの理由を聞いてくるはず。
それによって相手はいかにkiasmaさんを説得させるかを考えるわけですね。
であれば、kiasmaさんがとるべき方策は、「言質」を取られないようにするために、どんなに相手が低姿勢で訊いてこようとも結論だけを通告することに尽きます。
このとき、相手の誘導尋問に丸め込まれないようにするためには、業務委託を断るわけですから
「業務逐行は控えさせていただきます。」
の一点張りでいいのです。
すると相手は誘導尋問を絡めつつ理由を訊いてきます。
ここでは絶対理由をいわないことです。
理由をいい出したら最後、そこに食らいつくように蹂躙してくるはずです。
クライアントの視点ですと「断る理由」を口にさせ、kiasmaさんの退路を断っていくのが、下請けをコントロールする側の常套手段なのです。
ですからkiasmaさんの場合は徹頭徹尾

「御社との業務は控えさせていただきます。」
で押し切ってしまう

ことをオススメするわけなんです。
この姿勢を貫けば、相手はこれ以上交渉の余地なしとしてホコ先をひっこめてくるはずです。
そうなれば、kiasmaさんは今後、たちの悪いクライアントをあざやかにあしらうリスクヘッジならびに「防衛」スキルの一端が身につくことと思います。
御参考になるでしょうか。

御健闘を御祈り申し上げます。



この回答に続く御質問者様の返礼文は、こちら。
「仕事の断り方」



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コメント 17

tubomi

「理由を問われても
それに答えないこと」  ホントですね。。
いくらでも 突っ込んできて きりがない方 いるんです。
勉強になります^^
by tubomi (2008-05-29 01:09) 

bigbang

こんばんは。
どうもはじめまして。
SOHOはやってないですが、
後半の件は参考になりました。
営業やセールスの方にも、もちろんですが、
一般生活でも使えますね。
どちらかと言うと押しに弱い方なのでw
by bigbang (2008-05-29 01:19) 

TAKA

こんばんは
いつも素晴らしい回答で、再認識させて頂いています。
こんなお客さんいますね...契約したら、子会社か
何かと勘違いする人...
確かに電話ですと、一問一答に感情が入ったりして
本来、決めなくてはいけないことがぼやけて
しまいますので、私は電子メールで、文章でやり取り
するように心がけています。効力とは言いませんが、
最悪、同じメールを再送したりしたり、過去送ったものを
添付して送ることが可能だからです。
また、余計なことは言わなくて済みますし、文章に
すると、確証として保存などもできますしね...
電話だと録音でもしない限り、言った言わないの
元になるので...、
確かに、電子メールより、より確証性の高い手紙の
ほうが良いとは思いますが...私の場合、手紙は
すこしやりづらいです。

by TAKA (2008-05-29 01:59) 

ホタルの館

口ではあまり言えないけれど、文書になると素晴らしく能力を発揮する人っていますよね。
この方はまさにそういうタイプの方なんだと思います。
by ホタルの館 (2008-05-29 02:24) 

One-for-you

Positiveなフリして間接的に「お断り(ネガ)」の意を表明する
・・・有りだと思います。
そこに相手方が気付くか否か、それによって当事者側も
「相手方」を見る眼力が、備わるよう思いますw

直接Noと言える時は、意外と少ないかもしれません;
でも、自分が相手方から「間接的」なメッセージの「No」は
取りこぼさないように心がけております。

相手がNoなのに、自分がYes・ポジで受け止めたら、
どんなシーンであれ、結果は「掛け違い」
・・・ってことに陥るのがパターンと思いますw

等等、ある場面では、「デジタル」的にYes or No を明確に
表現せざるを得ない時もありますし、
また、ある場面では、「いやぁ~」なんて、頭かきながら
アナログ的にファジーなグレーな返答をせざるを得ない時も;

TPOと、当事者・相手方の経緯等踏まえると、一義的な
回答は難しい
・・・と、曖昧なコメントしている自分にジレンマw
は、どうでもよくて、きゅんぱち・さんの視点の返答は
常々、刺激を受けております・・・無論・・・お互いにポジな
ファクターとして作用してますよw
by One-for-you (2008-05-29 04:17) 

いわもっち

昔っから、電話が嫌いです。。
携帯は持ってますが、ほぼメール・i-modeだけの利用です。
電話でガンガンくる客・上司、苦手です。。。
by いわもっち (2008-05-29 06:08) 

BPノスタルジックカーショー

おはようございます。

大変参考になりました!!
by BPノスタルジックカーショー (2008-05-29 10:21) 

みどれんじゃー

社内でいろいろ頼まれて、大変です。
上司と筆談するわけにもいかず(笑)

by みどれんじゃー (2008-05-29 12:38) 

しんりゅう

個人対企業でのお付き合いというのは、信頼関係の構築が重要になる分、悪化した時の対処が大変になるんですよね。
強く言い切れる気構えが必要な事だというのが、この件ではよくわかりますね。
by しんりゅう (2008-05-29 13:18) 

chunta

メールでも証拠が残りますけどね
契約を書面にしないのはマズイですね
手紙で送りついでに ルールも送る

まあ 大手はこういう仕事の仕方をしないから
個人商店みたいなトコが相手なのでしょう
「それだけの仕事だと いくらです」とか
「納期は他との都合で○日以降です」とか
自分から料金と日取りを提案しちゃうとね
お金取るなら頼まない~ってなるかも
ガツンと言わないとね~~笑
by chunta (2008-05-29 13:56) 

shinwa

はじめまして。
たいへん勉強になります。
ネット上の人間関係にも応用できそうですね。
by shinwa (2008-05-29 15:46) 

OJJ

NO!と言えば角が立つ・・OK!では身が持たぬ・・
だったら答えは1つ。Yes but・・・
これの次にやりますよ・・・・で納期の引き伸ばしはダメ?
by OJJ (2008-05-29 21:09) 

モッズパンツ

はじめまして。ご訪問どうもありがとうございます!

(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2008-05-29 23:31) 

夢空

ここは、社会勉強の場所です(^^)v社会人の教科書☆として出版するとか。(^^)/
by 夢空 (2008-05-30 00:03) 

hankyu8200

◎◎気鋭のコメンテーターの皆様、
いつもお世話になっております。

☆ tubomi さん
いるんですよねぇ。
といってですね、物理的に排除するわけにも行かないわけですもんね。

☆ bigbang さん
これはこれは、お立ち寄りありがとうございます。
お誉めの言葉、恐縮してしまいますですよ、そんな(笑)。
そうそう、私もかつてはそうだったんですが、この視点で対策を講じると、逆に相手が一目置いてくれるようになるという、副産物が転がり込んでくるというメリットも経験したことがありましたよ。

☆ TAKA さん
おっしゃるとおりですよね。
今回の回答でオフラインの手紙を提案させていただいたのは「内容証明郵便」の発想から来ているんですな。
この場合、手書きである必要はなく、ワープロ打ちに名前だけサインでもいいですし、名前もワープロ打ちでもかまわないでしょうけど、要するに時間のかかる文通のみにすることで、相手に焦燥感を抱かせつつ、質問者には時間稼ぎができる、というメリットを申し上げた次第です。
その必要がなければ、メールの方が手っ取り早いでしょうな。

☆ ホタルの館 さん
自分の意志を言葉で伝えるのは

  話すこと
  書くこと

の2通りしかないわけですから、この内のどちらかに自信が持てればいいでしょうね。
中には両方ともうまくこなせる人もいますし、その逆の人もいます。
たいていは両方ともダメなケースが圧倒的だといわれていますけどね。
だから誤解を生みトラブルや訴訟へと発展させてしまう人が多いんでしょうが…、自戒の念をこめて、日々是勉強ですよね。

☆ One-for-you さん
いわゆるセリフや文面の

  行間を読む

ってヤツですな。

☆ いわもっち さん
面と向かっていると控えめなのに、電話となると途端に言い倒さんとばかりにガンガン来る輩って多いですよね。
相手の顔が見えないからなのでしょうな。

☆ BPノスタルジックカーショーさま
これはこれは、ありがとうございます。

☆ しんりゅう さん
おっしゃるとおりですよね。
とくに面と向かってだと、しんりゅうさんがおっしゃるところの「気構え」の手心がつかみにくいケースなんて時にも、手紙が有効な手段であることが往々にしてあるようです。

☆ chunta さん
そうですね。
大手と個人ではまったくそこら辺の事情が違ってきますもんね。
あと、メールと手紙のメリットの違いは、時間稼ぎと、距離を置きたい相手へ焦燥感を抱かせること、この2点ですね。

☆ shinwa さん
これはこれは、お立ち寄りいただきありがとうございます。
応用していい結果が出るといいのですがね。

☆ OJJ さん
おっしゃるように、いわゆる「相談」はできたはずなんですけども、質問者の窓口になるクライアントの担当者のキャラクターにもよるんでしょうな。

☆ モッズパンツ さん
お立ち寄りありがとうございます。

☆ 夢空 さん
そうおっしゃって下さいますと、こちらも恥ずかしいです(笑)。
社会勉強の場所だなんて、買い被りでんがなぁ〜♪
by hankyu8200 (2008-05-31 13:04) 

ysa2

素晴らしい論理構成で的確なアドバイスをされていますね。正直に凄いと思いました。

私はサラリーマンですが、自分の業務の目標と照らし合わせて余計な作業や他人や他社がやるべき事(やった方が早い事)はすっぱりと断らないとと常に考慮に入れていますが、完全に実行する事はやはり難しいです。

なあなあで仕事が進む所が日本の良い所でもあり悪い所でもあるんでしょうね。なあなあですすむと、基本的に立場が弱い人間の所に仕事が集まってくるのが一番の問題点でしょうか。全体を見渡して適材適所を考えてくれる優秀な指揮官が居れば問題は解決するんですが、たいがいトップに居る指揮官は現場全体は見渡せないですしね・・・。

いざ撤退となったら自己防衛する際の参考にさせて頂きます。
by ysa2 (2008-06-01 04:18) 

hankyu8200

☆ ysa2 さん
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおりですよね。
ほんのごく一部の優良企業を除きますと、そういう共通した暗部ってあるんですよね。
やはり先守自己防衛に徹することは、スキルにかかるリスクヘッジの面から避けて通れない時代となったのでしょうな。
by hankyu8200 (2008-06-03 18:04) 

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